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─ ドイツにおけるMANGA |
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□□ 目次 □□ 【ニュース】インターナショナルコミック・サロン開催 【インタビュー】MANGA市場の変遷と未来 【編集後記】クール・ジャパン |
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【ニュース】 コミック、マンガ、日本文化 インターナショナル コミック・サロン開催 期間中は市街地のメンストリートにはコミックサロンののぼりが並ぶ。中心の会場になる大ホールと市役所、およびその前の広場はコミック一色になる。エアランゲン市は人口10万人程度の都市で日本からみると、たいして大きい街ではない。しかし、市街地そのものが会場化するような雰囲気があるため、地方の小都市のこぢんまりしたイベントという感じはない。 また関連の出版社なども多数ブースを設けるほか、作家も数多く招聘される。フェスティバル訪問者もドイツ全国からのみならず、オーストリアやスイスといったドイツ語圏からも訪れる。コミックやMANGAのファンの中ではエアランゲン市はちょっと知られた街だ。全国紙にも広告を掲載されるほか、記事としても紙面に登場する。毎回、市営劇場ではドイツで優秀な作家や作品に贈られる『マックスとモーリッツ賞』の受賞式とパーティが行われ盛り上がる。 あるいはMANGAのワークショップといったものから、『コンピューターとコミックス』『コミックスのクオリティ』『学校におけるコミック』といったテーマのシンポジウムなども行われる。コミックのイベントとして見たときに質、規模ともに充実している。
■MANGAから日本文化を 日本関係のコーナーも目を引く。90年代後半から本格的にMANGAブームがおこり、MANGAを入り口に日本文化に関心を寄せる若者が増えている。会場の一角には囲碁やカラオケなどのコーナーがあり、最終日は弓道、茶道、合気道、書道といった伝統文化を知るプログラムが組まれた。 他方、毎回日本からもマンガ家が招聘されるが、今年は『名探偵コナン』の作者、青山剛昌(ごうしょう)さんが訪問。コナンはドイツでの人気の作品でテレビでも放送されている。 同氏のフェスティバル訪問を受けて、ドイツの報道陣を対象に青山さんの記者会見が行われたほか、市のゴールデンブック(ゲストブック)にもコナンの顔を描き、署名。バライス市長と握手を交わした。またサイン会や『ファンとの語らい』といったプログラムも組まれた。熱心なファンから『コナンの最終回はどうなる』といった質問がとびかい、サービス精神たっぷりに答え、ドイツのファンを喜ばせた。 ■都市の独自性と存在感をつくる 同フェスティバルをはじめたのは1984年。当時、コミックを扱うフェスティバルは同市しかなかった。またコミックは子供のものという見方が強いドイツにあって反対もあった。 しかし、そんな中むしろ高い芸術性を持つメディアとして捉え直すことから始めた。『それまで、あまり知られていなかったメディアの場を作るのが目的。文化的な動機によるものだ』とは事実上のプロデューサーとしてフェスティバルの初回から活躍していたマンフレッド・フィッシャーさん(元同市文化局、現在定年退職)の弁だ。 ドイツのみならず欧州の多くの都市は独自の文化・芸術系のフェスティバルを開催する。同フェスティバルも同様で、こういったフェスティバルが街の規独自性をつくりあげ存在感を高めている。(了)
【インタビュー】 MANGA市場の変遷と未来 ゲオルグ・テンペルさん エグモントVGS出版事業 取締役パブリッシングディレクター ドイツでのMANGAブームはよく知られている。現在5社がMANGAの出版を手がけ、うちカールセン社とエグモント社がMANGA出版の両雄。ブーム以前からマンガに着目していたエグモントのゲオルグ・テンペルさんに話をきいた・・・・続きはこちら 編集後記 クール・ジャパン ◆近年、MANGAをはじめ、日本のポップカルチャーが国外で注目をあびています。これを受けて、2002年にアメリカ人ジャーナリスト、ダグラス・マックグレイ氏はFOREIGN POLICYで“Japan’s Gross National Cool”という論文を発表。国としての総合的なかっこよさを、GNP(Gross National Product)にかわって、GNC(Gross National Cool)という新しい指標で捉えてみてはどうかということを示したものです。 ◆このアメリカ人ジャーナリストによる論文は経済の停滞していた日本にとって、強い応援団でした。そのため日本人による日本経済分野の論文などでも引用されることがあったようです。マンガなどのクールなものが、経済のみならず、国際的なイメージやブランド力になるだろうというわけですね。 ◆なぜMANGAがドイツの若者を引きつけるのか。世代論から分析しているのが今回のインタビュー記事に登場してくださったテンペル氏。一方小学館で国際ライセンス関係を担当する新藤雅章さんは、世界でMANGAがなぜ受けているのかという命題を『J−ポップ』として真正面から考えるとわからないといいます。むしろ、『なぜアメコミではないのか』と考えたときに『MANGAのほうが主人公と自分の生活態度を重ね合わせやすいからではないか』と考えているとのこと。GNCと一言でいっても、マーケティング的な視点からいえば、なかなか分析が難しそうです。 ◆昨今はドイツ人の『MANGA-kA(マンガ家)』も増えてきました。この春、デュッセルドルフへ行ったとき、駅近くの本屋さんに人だかり。何かと思えば、MANGA-KAのサイン会でした。MANGA文化が身近になってきているのを感じる一件です。そういえばインターローカルニュースを発行をはじめたのが2000年12月。はじめてのニュースはピカチュウの話題でした。(高松 平藏) ドイツ、ポケモン人気衰えず(2000年12月6日付) http://www.interlocal.org/20001206pikachu.htm |
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■■インターローカルニュース■■ 発 行 : インターローカルジャーナル http://www.interlocal.org/ 発 行 人 : 高松平藏 発 行 日 : 不定期 Copyright(C) Interlocal Journal |
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