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─ ドイツにおける MANGA |
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【インタビュー】 前編 MANGA市場の変遷と未来 ゲオルグ・テンペルさん エグモントVGS出版事業 取締役パブリッシングディレクター |
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ドイツでのMANGAブームはよく知られている。現在5社がMANGAの出版を手がけ、うちカールセン社とエグモント社がMANGA出版の両雄。MANGAブーム以前からマンガに着目していたエグモントのゲオルグ・テンペルさんに話をきいた。 (構成 高松平藏) ■ドイツでマンガブームです。MANGAの定義は? 『原作が日本のマンガであること、それから製本スタイルがポイントですね。ドイツの本は通常左綴じですが、MANGAは日本式に右綴じです』 『既存のコミックと比較すると、MANGAはページの95%がモノクロです。コミックの場合はほとんどカラーですからね。コマ割にも特徴があります。コミックに比べるとアニメを見ているような連続性がある』 ■日本アニメといえば「アルプスの少女ハイジ」「みつばちマーヤの冒険」といった作品が以前から放送され、今も繰り返し放映されています。 『30年ほど前から放送されていますが、見る側には日本のものという意識はなかった。はっきりと日本のものとしてドイツに登場したのが「アキラ」でした。アメリカでヒットしていたのですが、カールセン社が90年代はじめに出版しました』 『当社も「Ghost in the Shell(攻殻機動隊)」、「APPLESEED(アップルシード)」を出版。各作品、1万部ほど売れました。しかし、そのころはまだ書籍の形態は欧州の方式でしたし、だいたい80−120ページ程度。8−9ユーロ(約1200−1300円程度)と高い。現在、ドイツでヒットしているMANGA、「名探偵コナン」は一冊5ユーロ(約720円)、ページ数も200ページ程度あります』 ■90年代後半からMangaが盛り上がってきた印象があります 『そうですね。90年代はじめ、アメリカ経由の作品は売れたのですが、96年はマンガが売れなかった。復活したのが98年ですね。民間放送のRTL2で「美少女戦士セーラームーン」を放送しはじめた。このあたりが第二のMANGAブームのはじまりです』 『「ドラゴンボール Z」などもテレビで放送されました。そして両作品ともMangaとして書籍もかなり売れた。セーラームーンのMANGAは当社が出しましたが、10−15万部は売れましたね』 なぜクール(かっこいい)なのか ■ドイツの若者にとってMANGAはなぜ「クール(かっこいい)」なのでしょう 『いつの時代も若者は親世代との区別をつけたがります。たとえば私が若いころは服装や音楽で区別をした。ジーンズをはいて、クラッシックよりもポップスを聴いたわけです』 『ところが今は親も子供も同じ。母親と娘が(ディスコなどでの)パーティに参加していることすらある。そんな中、MANGAは親との区別をつける道具ではないかと思います。サイズも小さいのでズボンの後ろのポケットに入れることもできる。しかも内容やスタイルが既存のコミックとかなり違う。そしてコミックは親が子供に買い与えましたが、MANGAは自分のお小遣いで買う』 ■MANGA全般に男女差はありますか? 『女性向けのマンガが多いですね。たとえばセーラームーンは女性が主人公。これが女の子が受け入れやすい。ドイツでも若いManga-ka(マンガ家)が出てきましたが、ほとんどが女性。テーマも女性よりです。既存のコミックの作家は男性が中心で内容も男性よりでした』 ■エアランゲン市で2年ごとに行われるコミックのフェスティバル「コミック・サロン」を見ていると、2004年には日本文化を紹介するコーナーが登場しています。また、MANGA関連の雑誌をみると日本語や日本文化を紹介する記事もある。MANGAが入り口になって日本文化に対する関心も高まっているように思えます。 『当社でもMANGAで日本語を勉強できる本を出しました。1万部程度売れました。読者は日本語や日本文化への興味がかなりありますね』(後編へ) |
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■■インターローカルニュース■■ 発 行 : インターローカルジャーナル http://www.interlocal.org/ 発 行 人 : 高松平藏 発 行 日 : 不定期 Copyright(C) Interlocal Journal |
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