2008-04-13 (vol. 148)
─ キンダーセンター・トミチール園長 シビレ・ハルトルさん インタビュー 1/2
【インタビュー】
幼稚園運営のチームマネジメント
指揮者はいないが、ルールはある
       キンダーセンター・トミチール園長 シビレ・ハルトルさん

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エアランゲン市内で常に新しい取り組みを行うことで知られる幼稚園、キンダーセンター・トミチールの園長、シビレ・ハルトルさんにマネジメントについてきいた。なお、ドイツの小学校は午前中でおわるため、午後から隣接する小学校からも一部の子供がやってくる。日本でいうところの学童保育のような機能も持っている。そのため『キンダーガルテン(幼稚園)』ではなく『キンダー・センター』としているが、ここでは『幼稚園』と記す。(取材・構成:高松平藏)

シビレ・ハルトルさん。園長として20年間働いている。
アイデアの実現には園長しかなかった

■幼稚園の先生になぜなったのですか
『私にとって、子供と一緒に何かをしたり遊んだりすることは楽しいものです。また子供たちを通して世界が違う視点から見えてくるのも面白い』
『若い時に、障害者のための余暇クラブでボランティアとして参加しました。ドイツでは幼稚園は社会福祉の管轄になってきますが、私にとって最初の社会福祉の活動でした』
『職業としては15歳のときに職業学校入学前に行った実習がスタートでしたね』

■今の職業にいたるもので、ほかに影響を受けものは?
『私は読書が好きで、当時の最新の本、たとえば「夢のような生活を約束したわけじゃない」や「カッコーの巣の上で」といった本からは、精神医学と心理学についての興味を持ちました』

■プロフェッショナルとしては20年間のキャリアをお持ちです。
『はい。トミチールで20年間、園長として働いています。しかし園長になるための特別な職業教育はうけていません』

■職業学校を出て、いきなり園長として働き始めた。
『そうですね。私にはいろいろアイデアがあり、それを実現するには園長として働くしかないと考えたからです』

自転車乗りながらアイデアも

プロのサーカスと行った公演。
■最近は珍しくなくなりましたが、1999年から年齢別にクラスをつくるのではなく、ひとつのクラスに異なる年齢の子供がいる混合制にするなどの取り組みがあります。ほかにもプロのサーカスと一緒に公演を行うなど大きなプロジェクトを打ち出しています。こういった幼稚園運営のためのコンセプトを継続的に展開したり、新しいプロジェクトのアイデアはどこからきますか?
『社会の発展の観察し、それに創造性がまざったかたちで生まれてくるのだと思います』

■なるほど。具体的にはどんなかたちで思いつきますか
『たいてい休暇のときですね。私が何か見たり、聞いたりしたとき、その中からアイデアが出てきます』
『たとえば、現在ニュルンベルクのオーケストラとオペラのプロジェクトを進めています。これも休暇中に思いついたものです。休み中、よく自転車に乗りますが、そのときオペラが上演されている建物のそばを通った。大変印象的で、「私も一度この舞台に立ってみたい」とふと思いました。これがプロジェクトのアイデアにつながっていきました』

■幼稚園の経営母体は教会です。あなたの運営方法に対して規制がかかることはありませんか
『教会は大きな影響力を行使することはできます。しかし、私たちを信頼し、比較的自由に仕事ができるようにしてくれています』

■教会の責任者、すなわち牧師さんが信頼してくれているということですね。
『大切なことは運営母体に対して、常に幼稚園の現状について知らせることです。このために毎週会議を行っています』
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発      行 : インターローカルジャーナル
http://www.interlocal.org/  
発  行  人 : 高松平藏 
発  行  日 : 不定期

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