インターローカル ニュース
Interlocal News 2006-12-14 (vol. 133)
─ クリニック・クラウン、市役所CO2
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【ニュース】エアランゲン市役所、CO2削減へ

【ニュース】幼稚園がクリニック・クラウンへチャリティマラソン
【編集後記】手を当てるから『手当て』という

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【ニュース】

エアランゲン市役所、CO2削減へ



エアランゲン市役所がこのほど改装を行い、その完成にちなんで市役所内を公開した。今回の改装によりかなりの断熱効果が見込まれる。


『お披露目』が行われたのは9月23日。新しく改装された議会場などが公開された。他方、市役所前の広場や建物内で郵便局や市営ミュージアム、消防署のほか『エアランゲン家族のための同盟』『エアランゲン外国人委員会』『エアランゲン・アーカイブ』といった組織が情報スタンドを設けた。

市役所は14階建て61m。1969年から2年がかりで建設された。老朽化が進んでおり、コンクリートのかけらが落下することもあった。今回の改装は2001年から5年がかりで行われた。外壁に14センチの厚さの断熱材をとりつけ、さらに金属製のカバーをとりつける工法がほどこされ、断熱性を高めた。

改装中、温度測定器による断熱効果の確認も行われた。外壁工事終了済みの部分からは市役所内の熱がほとんど漏れていないことがわかる。(写真)

ちなみに市内の住宅供給会社は同社所有の共同住宅の外壁工事を順次行っている。また日本でも最近、外壁断熱に注目が集まっている

ひるがえって改装後の暖房コストはこれまでの60%にまで下がると見られる。また年間約500トンのCO2の削減が見込める。(了)
改装中の市役所。左はサーモグラフィ(温度測定器)による画像。外壁工事が終了した部分(左上)は黒および青い色をしており、市役所内の熱が外へほとんど漏れていないことがわかる。(写真=同市建築マネジメント-エネルギーと環境部)








【ニュース】

幼稚園がクリニック・クラウンへのチャリティ・マラソン


ドイツ南部のエアランゲン市でクリニック・クラウンのための24時間チャリティ・マラソンがこのほど行われた。

マラソン終了後のセレモニー。2人のクリニック・クラウンを両脇に、キンダーセンターのシビレ・ハルトルさん(左)、市長のシーグフリード・バライス博士(右)
マラソンを主催したのは同市内の幼稚園・学童保育を兼ねる『キンダーセンター・トミチール』。10月20日、13時から同センターの近くにある、スポーツ施設のグラウンドで行われた。

参加者は走りたい時間帯を登録。大人5ユーロ、子供1ユーロを参加費として支払う。これがエアランゲンと隣接しているニュルンベルグの非営利法人『クラウウン・プロジェクト』に寄付される仕組みだ。

クリニック・クラウンとは病院に入院している子供を訪問するピエロ。そして笑いや楽しい雰囲気をつくる。『笑いこそ最高の薬』というわけだ。同非営利法人は1999年に設立された。

また、ドイツ全国をみると子供だけでなく高齢者を対象に訪問する活動を行っているケースもある。全国80のクリニック・クラウンの非営利法人で組織する『病院での子供のためのクラウン』(1993年設立)が把握しているだけで、全独に250人のクリニック・クラウンがいるという。

ちなみに日本でも昨年『日本クリニクラウン協会』というNPOが設立されている。

さて、24時間チャリティ・マラソンには親子連れが多数参加。374人が走り、約3,000ユーロ(約45万円 1ユーロ=151円)を寄付した。総距離は2,163キロ。21日午後1時から行われた寄付金の授与式にはバライス市長のほか、2人のクラウンが登場。また後日、同キンダーセンターの子供たちは寄付をした市長を訪問して謝意を示した

同キンダーセンターは今年2月にロシアのサーカス団と一緒に舞台を演じるプロジェクトを行ってた。サーカスにおなじみのピエロに着目したところ、今回のチャリティ・マラソンの計画立案につながった。
(了)
セレモニーでは音楽の演奏にあわせてクラウンと子供たちが一緒に踊る場面も見られた






編集後記
手を当てるから『手当て』という


◆病院での笑いといえば、ロビン・ウィリアムスの主演の映画『パッチ・アダムス』で知られるようになったパッチ・アダムス医師を思い出す方も多いと思います。日本でも、同医師の影響を受けた、おげんきクリニック(山口県大島郡)の岡原仁志医師の活動などが知られています。

パッチ・アダムス氏の The Gesundheit! Institute http://www.patchadams.org/
おげんきクリニック http://ogenki-clinic.com/


◆お笑いといえば吉本興業。いつぞや被験者に、吉本興業の舞台を見て思い切り笑ってもらうという実験が行われました。舞台のあと、がん細胞を破壊してくれる細胞の強化が認められたとか。

◆医療の発展は装置の発展といった側面があります。これは大切なことであります。が、それにしてもこの装置にかかるのがあまり気持ちのよいものではない。それだけに笑いや温かさといったものを『装置』の発展同様、医療の世界にさまざまな形で強化していく必要がありましょう。

◆長女が生まれたのは京都の種田産婦人科。陣痛で苦しんでいる妻のそばで、どうすればよいか困っていた私に種田征四郎医師は『手でさすってあげてください』と一言。そして『手を当てるから手当てというんですよ』といったことをさらりと付け加えられ、実に腑に落ちました。(高松 平藏)


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発  行  人 : 高松平藏 
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