■なぜ、このプログラムを考えたのか
日本で講演をする機会がたびたびあります。
私の講演はドイツ・エアランゲン市を例にしながら、ドイツの地方都市がどのように地域を運営しているのか、市民社会における文化やスポーツ、環境問題がどのように展開されているのか。そんなテーマについて、写真をふんだんに使いながらお話することが多いです。
ところが、『どうも伝わってない』と感じることがあります。
理由は明らかで、日独同じ言葉でも、実は社会的な文脈、背景の歴史が異なるからです。
また、中にはいくら説明しても想像のつきにくいものもあります。たとえば外国の方に『ヒーターのついた背の低い布団付きテーブル』というふうにコタツについて説明することを考えてみてください。言葉だけで理解するのはかなり難しいと思います。ところが実物を見てもらい、さらに足をつっこんで団欒を体験してもらうと、家具としてのコタツのみならず、日本の生活文化としての理解まで一気に進むはずです。
そんなことから『講演のあとで、ドイツの町の実物を見てもらえるといいんだけどなあ』と思うことがあります。そして、これがこのプログラムを作った理由です。
たとえばドイツのまちづくりについて理解を深めたい場合、座学と実際の町を歩くことが有効かと思います。ドイツの『ローカル』で思考を鍛え、日本の『ローカル』で活躍につなげる。そんなことに役に立てばと考えています。
■座学+オープンエア クラスで深い理解と議論を
これまで、学生や環境カウンセラーといった方たちのグループが来られました(例:東京大学の皆さんの場合)。内容はご相談しながら作っていきますが、たとえばドイツの地方都市の魅力に焦点をあてた1日コースでは次のようなプログラムが可能です。
9:00−12:00
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座 学
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ドイツの都市の歴史、都市を動かす“エンジン”とは何か、といったセミナーを受けていただきます。
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13:00−17:00
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オープンエア・クラス
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実際にエアランゲンを散策しながらセミナーで登場した場所や物を見、雰囲気を体感し、それによって、さらに深い理解を得ます。
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18:00-
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地元ビールの醸造所兼レストランで食事
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ビール大国のドイツは地ビールが中心。日本からは想像もできないくらい『地域文化』のひとつとして存在しています。それを肴にさらに議論!
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ドイツや欧州をまわる旅程のなかで1日、エアランゲンでご滞在いただくという方法がやりやすいかもしれません。人数は5−10人ぐらいが適していると思いますが、30人でお越しになった例もあります。ご興味の向きにはどうぞご相談ください。
ジャーナリスト 高松 平藏
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