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パネル・ディスカッション『家族ー終わりに向かっている?』 | 3/3 ≪戻る|次へ≫ | |||||||||||||||||||||||
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核家族対策に注力すべき ■ガイナー:家族は複雑すぎるものになったということでしょう。女性は正しい相手が必要だが、男性も正しい女性が必要。特に核家族をみると、核家族はけっこう弱い。簡単に壊れます。それに対して大家族は安定している。しかし大家族にもどるわけにもいかないから、核家族を安定させる環境を社会はつくらなければならないのではないでしょうか。 ■シュミット:アフリカにことわざがあります。ひとりの子供を育てるには1つの村が必要。そういう考え方はドイツにはない。現代的なネットワークが確かに必要です。 ■アウファーマン:子供をつくらない世代は心配しすぎる、考えすぎますか? ■ファンダーベケ:確かにドイツ人は考えすぎる。つまり将来がどうなるか、私の収入がどうなるか。出世がどうなるか、将来の環境がよくないから子供をつくってもいいのかという悩みが多くて、生物としての自然の本能、人種がなくならないように子供をつくるという自然を忘れてしまう。おもしろいのはフランス人は20歳、21歳で子供をつくってしまう。 政府は何でもできるわけではない ■アウファーマン:そこでですが、国はどうすればいいのでしょうか? ■シュミット:国がすべてのかけているものをカバーできません。もちろん、国は面倒を見る場所や施設をつくることはできる。経済界にもっと子供に優しい職場をつくってくださいと声をかけることはできる。しかし、1人づつ自分の生活パターンの中でがんばらなければならないものでしょう。メンタリティ、つまり『頭の中の壁』については政府は壊せません。社会の中から壊さなければならない。そのためには1人づつ自分でレンガをひとつひとつ壊すようにしていかなければならない。 ■アウファーマン:メンタリティの変化に対して理想的な方法はありますか? ■メナセ:もっとパートタイムの仕事が必要ですね。それからお母さんは、赤ちゃんや小さな子供を育てるときに、『お母さんとしては何でもできるはず』『何でも自分で解決するはず』という考え方をこわさないといけない。 友達の中に2人のジャーナリストがいるが、子供を生んだ。会社は彼女たちを失いたくないが、出産以前の状態で働けるのなら、もとのポストで通り働ける。しかし、半日しか働かない場合は、つまらないデスクワークにかわってしまう。 子供がずっと泣いて、夜寝ない場合は自分の親や友達など誰かに預けて、夜、夫婦で遊びに出かけることです。自分が『カラスのお母さん』のようだと自責の念にかられなくてもよい。自分の『ニーズ』も忘れないようにすべきでしょう。 ■アウファーマン:若い作家の中に家族がテーマにとりあげられていますか? ■トライッヒェル:私は教壇にもたっていますが、自分の学生の中には何人かが若くして子供を生んでいます。そしてきちんと本も書いています。若い人は子供に対しての怖さを感じていないようです。 新しい問題ではない ■アウファーマン:今ここで、とりあげていることは別段新しい課題ではありません。20年から30年前からいわれていることですが、かわっていません。なぜでしょうか? ■シュミット:この30年、国としては家族に対しての経済的補助がメインだった。その方針は今変えました。「家族のための同盟」を企業の世界でも、地域でもつくる。そしてメンタリティの変化をめざします。しかし、方針の変更が遅すぎる。 パネラーからのメッセージ ■アウファーマン:議論をまとめたいと思いますが、皆さん、一番ほしいものはなんですか? ■ファンダーベケ:家族や子供を持つということに対する心配、つまり頭の中の壁を忘れて欲しいですね。 ■シュミット:ドイツ人は今、25歳から55歳の時期に人生のすべてがはいっている。つまりこの期間に結婚や仕事、キャリアの形成を行っているわけで、わりあい狭い時期に押し込んでいる。それをもっと伸ばさなければならない。出世は55歳でもできる。たとえば子育てを終えてから会社で働くといったこともできるわけです。 ■メナセ:子供の面倒を見る場所と家族に優しい企業と、シュミットのような家族大臣がほしい。 ■トライッヒェル:社会的改革。(1968年に『学生の叛乱』と呼ばれる社会に対する大きなインパクトのあった出来事があったが)2068年におこるのではないか。 ■アウファーマン:政治家は作家を時々呼ばなければなりません。アイデアがたくさんでてくるのではないでしょうか。(了) |
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■■インターローカルニュース■■ 発 行 : インターローカルジャーナル http://www.interlocal.org/ 発 行 人 : 高松平藏 発 行 日 : 不定期 Copyright(C) Interlocal Journal |
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