インターローカル ジャーナル
について
─ あなたの街はどうしてる?
『インターローカルって何?』
そんなふうに思われた方方もいるでしょう。こんな単語、辞書にも載っていません。造語です。あえて辞書風に書けば、

 1)国境とは関係のない地域間の関係性
 2)近隣の地域との関係性

といことでしょうか。

(1)はグローバル時代の地域のビジョンだと考えます。ジェトロ(日本貿易振興機構)が早くから『ローカル トゥ ローカル』というような言い方で国境を越えた地域間の貿易を提唱していますが、よく似た考え方ですね。

グローバル時代の地域のビジョンというと、『グローカル』なんて言い方もありますが、私の理解でいうとグローカルの実現には『インターローカル』な関係性が必要ってことになるでしょうか。

(2)は具体的にいえば隣接する自治体や地域が協力しあうということですね。これは日本でも少し前から増えています。生活圏が重なる市町村が共同で図書館や劇場・ホールを持ったりするようなケースがあります。スケールメリットが見込めるようなことは共同でやろうというわけですね。


さて、私は数年前から京都経済新聞社が発行している『週刊京都経済』に毎週“ドイツ発 インターローカルジャーナル”というコーナーに執筆しています。そんなことから新聞社の記者諸氏は時々『なんで京都の新聞なのにドイツの記事が載ってるんですか』というようなことを聞かれるそうです。なるほどとも思いますが、私としては<ドイツのニュース>というよりもエアランゲン市という<ある街の出来事>を中心に書いています。

この連載では自分が住んでいる街を取材しているのですが、他の街でもかかえていそうな問題が見えてくるんですね。環境負荷を下げるようにするには自治体としてどういうふうにすべきか、地域経済振興のためにどうするか、地域の文化環境をよくするのにはどうするのか、などなど。。。。。どうです、身近なテーマでしょう?

もちろん身近な問題といっても背景にドイツの政治や社会システム、文化、伝統、習慣、風土などが背景に見え隠れすることも多く、そして無視することもできません。したがって、記事を書くときにはそういう視点も盛り込んでいますが、私は毎回記事の中にこんな問いかけを刷り込んでいるつもりです。

 
 『あなたの街はどうしてる?』

こういう問いかけこそが、インタローカルな報道の核心的なところだと考えています。
(高松 平藏)

2004年12月末

 

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