ミッテルフランケン地方について

当サイトはドイツ・エアランゲン市在住のジャーナリスト、高松平藏によるもので、エアランゲンを中心に周辺地域のことを書いていることが多い。ここでは、エアランゲン周辺地域をさすミッテルフランケン地方について説明しておきたい。

緑の地域がミッテルフランケン。この行政区間内に当ニュースサイトによく登場するニュルンベルク、フュルト、エアランゲンの各市が隣接しあっている。

フランケン地方
ミッテルフランケンはバイエルン州内に7つある行政管区のうちのひとつでアンスバッハという都市が行政区間の自治本拠地。

この行政管区で大きな存在感をほこるのがエアランゲン、フュルト、ニュルンベルクで何かと共通で取り組むことが多い。また三都市以外にも隣接するシュワバッハ、アンスバッハとの協力関係も強い。人口は約171万人。

ミッテルフランケンの北側にある行政管区、オーバーフランケン、ウンターフランケンと接しており、『フランケン地方』と呼ばれている。ワインの生産地としてよく知られ、ボックスボイテルというダルマのようなかたちの瓶につめられている。

フランケン地方はもともとバイエルン州ではなく、1806年にバイエルン王国に併合された。

200年以上たった今もフランケン地方に対する愛着や独立精神があり、バイエルンがもともとカトリックが多いのに対して、この地方はプロテスタント系が多い。

独特の形をした『フランケン・ワイン』の瓶 紋章:
ミッテルフランケン
紋章:フランケン


強い経済

バイエルン州 ミッテルフランケン地方
欧州のほぼ中心部に位置していることがわかる。EU拡大に伴い中世の地理的条件が戻ったかたちだ。

ミッテルフランケンはGDP547憶ユーロ(2006年)。中小企業が多く、エアランゲン=ニュルンベルク大学があり、産官学の結びつきが強い。ドイツ全体でも経済力のある地域のひとつである。経済的失業率は6.4%(2007年)。ちなみにドイツ全体では8.8%。

またミッテルフランケンの中心的存在であるニュルンベルクは中世の時代には交通の要衝として栄えた。近年の欧州拡大によって欧州地図の地理的中心を東へうつったが、チェコなどと国境を接するバイエルン州が欧州の中心になってくる。同時にニュルンベルクは中世の地理的条件を取り戻したかたちだ。ちなみにエアランゲンからチェコまでは100キロ程度の距離。

また2005年からニュルンベルク周辺12都市と21郡がネットワークが組んでメトロポリタン地域としてネットワークを強化。横浜市と同程度の人口350万人にのぼる。GDPは1000憶ユーロ規模の経済圏になる。フランケン地方とも重なるところがあり、中世以来の一体感のある地域が『メトロポリタン地域』として新たに展開しているかたちだ。(了)

(高松 平藏 2007年12月執筆)

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